SGMに一過性の伸張をかけた場合の応答反応

ガラスというのは固くて脆い物質の代名詞だが,我々の身の回りには,固くも脆くもない『ガラス』が多数存在する. 高濃度なコロイドの分散系やクリームの泡などがそれで,これらは,『Soft Glassy Material(SGM)』と総称されている.

このSGMは,一般に,物理的にも化学的にも複雑な構成を持つ.また,外力を加えたときの応答(レオロジー応答)が,非常に特徴的な力学的特性を示すことでも有名である. 1998年,Sollich達は,あらゆるSGMに共通する最低限の特徴を組み込んだ,SGMの特徴を明らかにするための理論モデル,Soft Glassy Rheology model(SGR model)を提唱した.[1] 今回,我々はこのSGR modelの予測に基づいて,SGMに一過性の伸張(transient stretch)をかけた場合のレオロジー応答を計算した.その詳細を報告する.

[1] P. Sollich, Rheological constitutive equation for a model of soft glassy materials, Phys. Rev. E 58 (1998) 738-759.

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