粉体中の応力鎖の研究

 水や高分子ゲルなどは連続体として扱うことができ、その性質は流体力学や弾性力学、塑性力学などによって理解されてきた。 一方砂粒や穀物などの集まりは粉体と呼ばれ、連続体とは異なった挙動を示す。 例えば粉体に外力を加えると力は鎖状の応力が集中した粒子の連なりによって長距離によって伝達する。 この粉体中の応力の集中した部分を応力鎖と呼ぶ。応力鎖は粉体の形態維持や流れなどと密接に関わっていると考えられ、多くの先行実験が行われてきた[1]。 本発表では粉体粒子間の接触力をモデル化し各粒子にかかる力を計算してシミュレーションにより応力鎖を再現したJ.F.Petersらの研究[2]を紹介する。

[1] Junfei Geng, R.P.Behringer, et.al Phys.Rev.Lett 87 035506 (2001)
[2] J.F.Peters, A.Tordesillas, et.al Phys.Rev.E 72 041307 (2005).

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