Brownian Carnot cycleの線形不可逆熱力学による解析

Van den Broeckは線形不可逆系のOnsager関係式を利用して、その最大仕事率時 の効率の上限値がCurzon-Ahlborn効率となることを示した。[1] この上限値はOnsager 係数にtight coupling条件と呼ばれる条件が成立する際に達成される。

今回の発表では、SchmiedlとSeifertによって提唱されたブラウン運動を利用して仕事を 取り出すCarnot cycle[2]のOnsager係数を計算した結果を紹介する。特に、サイクルを動か す際の動かし方(protocol)がいかにOnsager係数に反映されるかを議論したい。 このモデルは線形領域ではCurzon-Ahlborn効率が成立することが知られていたが、その 理由もOnsager係数がtight coupling条件を満たすためであることも明らかにする。

[1] C. Van den Broeck, PRL. 95, 190602 (2005).
[2] T. Schmiedl and U. Seifert, EPL. 81, 20003 (2008).

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