非平衡定常状態の応答関数とその性質

非平衡定常状態に適用できる統計力学の構築は非平衡物理における大きな目標のひとつである。 ところが非平衡定常状態で一般的に成り立つ関係式は数えるほどしか見つかっていない。
A.Shimizuらは線形応答理論のアナロジーから非平衡定常状態の応答関数を導入し、新しい関係式を導出した。 この式はとても一般的にマクロ系で成り立ち、実験で検証可能な形になっている。 さらに彼らは電気伝導のMDモデルでこの関係式の実証も行った。 今回はこの一連の話[1]について簡単に紹介する。

[1] A. Shimizu and T. Yuge, J. Phys. Soc. Jpn. 79 (2010) 013002.

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