ネットワークの頑強性とはノードがランダムに故障したり、選択的攻撃をうけた場合、どの程度まで巨大連結成分(giant component)を維持できるかで評価される。
これまでいわゆるスケールフリーネットワークにおいて頑強性の議論がなされ、
その結果ハブ構造を持つネットワークはランダムな故障にたいしてはものすごく頑強であるが、選択的攻撃に対してはものすごく脆弱であることがわかっている。
一方コンピュータ・ウイルスの侵入は決してランダム故障的でも選択積攻撃的でもない。
というのも、ウイルスの侵入にはリンクを伝って拡がっていく特徴がある。
今回、このようなリンクを伝って伝播していく過程におけるネットワークの頑強性(ウイルスに非感染なネットワークのみで成り立っているか)について議論する。
特にウイルスの伝播率をあげていったとき、巨大連結成分の消滅が一種の相転移の様相を示すことを見せる。