創発的な機能的ニューラルネットワークにおける自己組織化臨界とスケールフリー特性

ニューラルネットワーク(脳神経回路)がスモールワールド構造を 有することが、線虫のような単純な神経系で確認されている[1]。 近年では、「STDP(スパイクタイミング依存シナプス可塑性)」と 呼ばれる学習が、脳の様々な領域で観測されている[2~5]。 ニューラルネットワークの構造は外部刺激やニューロンの ダイナミクスによって適応的に変化し、このフィードバックによる 変化が学習や記憶のメカニズムに近い結合であると考えられている。
今回はSTDPがスモールワールドやスケールフリーのような 機能的なネットワーク構造へ、ニューラルネットワークを構成する ことを紹介する。

[1] J.G.White et al., Philos.Trans.R.Soc.London, Ser.B 314,1(1986).
[2] H.Markram et al., Science 275,213(1997).
[3] D.Debanne et al., J.Physiol. (London)507,237(1998).
[4] G.-Q.Bi and M.-M.Poo, J.Neurosci.18,10464(1998).
[5] C.C.Bell et al., Nature (London)387,278(1997).

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