Discontinuous transition of an extended SIR model in complex networks

典型的な感染モデルとして多くの研究があるSIR モデルでは,平均場近似(反応方程式)の解析から臨界感染率以上で大流行へ連続転移を引き起こすことがよく知られている。また,SIR モデルのネットワーク上での適用のひとつとして,感染確率を導入したボンドパーコレーション問題にマップする方法があり[1],そのツリー近似解析からも臨界確率で連続転移を起こすことが示されている[1]。
最近,複数のS 状態を持つ拡張SIR モデル(fad モデル)では,平均場近似の範囲内で大流行の転移が不連続であることが示され[2],近年不連続転移をめぐって研究されている様々な伝播モデル・パーコレーションモデル[3] とともに注目を集めている。
我々はこのモデルに対応したネットワーク上のボンドパーコレーションモデルを提案し,そのツリー近似による解析を行った。その結果,感染確率パラメータによっては大流行への不連続転移を示すことがわかり,パラメータ空間での相図を得ることができた。講演では数値計算の結果もあわせて報告する。

[1] P Grassberger, Math. Biosci. 63 157 (1983)
M E J Newman, Phys. Rev. E 66, 016128 (2002)
[2] P L Krapivsky et al, J. Stat. Mech. (2011) P12003
[3] D. Achlioptas, R. M. D'Souza, and J. Spencer: Science 323 (2009) 1453
G Bizhani et al, arXiv:1202.3136v2
W. Chen and R. M. D'Souza, Phys. Rev. Lett., 106, 115701 (2011)
S-W Son et al, EPL, 97 (2012) 16006

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