ネットワーク上における位相振動子ダイナミクスの縮約

振動子のダイナミクスとそれが作り出すリズム現象は自然界に多く存在する。しかしながら、我々が(例えば実験で)観測するようなマクロなレベルの集団位相のダイナミクスとミクロな位相方程式で記述される個々の振動子のダイナミクスがどのように関係しているかは自明ではない。先行研究[1]では個々の振動子が位相ロックしている状態においてマクロな集団位相の定義が提案され、その時間発展を記述する方程式が導かれている。そこで本研究では[1]の結果を一般化し、特に分岐を起こすことで位相ロック解が存在しなくなり集団位相以外の他の少数のマクロな運動モードの影響が大きくなるような場合にも、それらのマクロな運動モードだけで閉じた時間発展方程式を得ることが可能かどうかを検討している。発表ではこれまでに得られた結果や問題点等について議論したい。
(本研究はお茶の水女子大学理学部情報科学科の郡宏氏との共同研究である。)
参考文献:[1] H. Kori, et al. Phys. Rev. E 80, 036207 (2009).

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