動的に変化するネットワークの力学モデル

現実のネットワークは時々刻々と変化している.そのダイナミクスを力学系の視点から理解したい.そのための数理モデルとして,ネットワーク上の拡散過程と,拡散過程に依存した重み付きネットワークのダイナミクスを導入した。結果、この力学系は平衡状態としてリンク強度が冪分布へ収束し,スケールフリーネットワークが形成されることを確認した.同時に系はミクロに見ると,非定常的に変化し続ける状態となっている.この平衡状態を力学系の視点から解析すると,周期解,固定点と共にカオス解を含み、多安定であることが分かってきた.さらに本発表では摂動に対する系の安定性も議論したい.

[1] CScale-Free Structures Emerging from Co-Evolution of a Network and the Distribution of a Diffusive Resource on It, Takaaki AOKI and Toshio AOYAGI, Physical Review Letters, vol.109, 208702 (2012).

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